スポーツ環境デザインとは
「スポーツの機能価値」を利活用し、「スポーツ環境の魅力化」と「職・住・遊・学環境の魅力化」を相互作用的、一体的にデザイン・マネジメントしていくことで、人・コミュニティ*1・場の持続的活性化*2を志向していく概念と手法。
*1 人的資本、社会関係資本
*2 雇用、市場、事業、人材の発掘と育成
スポーツ環境デザイン的事例
Woodbridge Village(アーバイン社)・Woodbury Village (アーバイン社)・LakeForestⅡ Village (オクシデンタル石油社)
民主導型コミュニティスポーツを通じて優れた防犯環境設計を実現することで,不動産価値を高めている街
New York City・非営利団体Brooklyn Bridge Park Development Corporation(BBPDC)
海運の衰退に伴ってさびれてしまった倉庫街の埠頭を公園として再生。独立採算で公園の維持管理をしながら地域全体の地価向上に成功、ニューヨークの新名所に
産官連携型スポーツを通じて優れた観光・住環境を実現することで,インバウンドを高めている街「和の総合型天然スノーリゾート」
市の財政難により荒廃し犯罪や麻薬売買の温床となっていた公園を官民連携により再生。都市生活を魅力的に愉しむための空間に変貌するとともに周辺街区の不動産価値が向上。
株式会社オガールプラザ
産官連携型スポーツを通じて優れた休・住環境を実現することで,不動産価値・インバウンドを高めている街
背景
サービス産業自体が地球規模で拡大し、急速に産業の成熟化が進む中(先進各国GDPの60%以上が既に第三次産業、少子高齢化の下、2035年には世界の中間層が貧困層の数を上回る)、「モノ」単体の提供による差別化はほぼ不可能となり、希少性や持続性の高い「サービス」が、生き残りの必須項目となる時代に突入している。
そのような時代背景においては、つまるところは、あらゆるサービスが「人のQOL」をいかに高め、豊かにしていけるのか?という一点に集約されることになる。例えば、自動車であれば、より早く安全に目的地に輸送することが目的ではなく(Carの提供)、それが手段となり如何に日常の生活を豊かにするか?(Car Lifeの提供)が目的となる。
「QOL」の領域は、職場、住の場、学の場、遊の場等に大きく分類される。芸術学における環境デザイン学は、まさにこの人の生活に密着した「場」をソフトハードと一体化でデザインしていく学問領域である。一方で、スポーツ科学は、まさにひとの心身、すなわちソフトに特化して人間の生活を豊かにしていくことに直結する学問領域である。
スポーツ環境デザインとはまさに人の生活環境とスポーツ環境の魅力化を同時且つ一体的にとらえる概念であり、開発の際の手法である。本来人々の生活というものは、その土地の地形、気候、文化、風土等に密着して形成されていくものであり、唯一無二の希少性の塊であるともいえる。その唯一無二の希少性を更に際立たせ、豊かにしていくサービスを構築できるスポーツ環境デザインはこれからのサービス産業界にとって極めて重要な領域であるといえる。
このようにして、スポーツマネジメント、スポーツビジネスをとらえる見方は、本ユニットが初の試みであり、極めて未開拓の分野である。よって本ユニットではこれが実際の実業界にどのようにして貢献していくのか、そのメカニズムを追究し構造化し、ひとつの方法論を確立していくことが目的である。
実績
共同研究及び奨学寄附金研究実績
・㈱Waisportsジャパン「スポーツ環境デザインのビジネスマネジメントに関する研究」
・ゼビオ㈱「スポーツ環境デザインの開発と実践-福島県猪苗代町志田浜に着目して-」
・㈱電通「都市再開発とスポーツプレイスメイキング-晴海地区選手村跡地開発-」
・UR都市機構、福島県大熊町「災害区域におけるスポーツを活用した再開発‐福島県大熊町のふるさと再開発-」
・㈱電通「スタジアムとまちの一体型開発-さいたま市浦和美園とさいたまスタジアム-」
・栃木県佐野市「クリケットタウン佐野創造プロジェクト(内閣府まち・ひと・しごと創生事業)」
・茨城県常総市「常総市まち・ひと・しごと総合戦略マネジメントシステムの共同研究」
・㈱北海道日本ハムファイターズ「茨城県南西エリア活性化プロジェクト」
スポーツ環境デザイン・リサーチユニット
「プレイスメイキングの手法を用いて、スポーツを生活に根付かせる」
スポーツ環境デザイン・リサーチユニットでは、芸術領域と体育領域の研究者を基に、地方公共団体・都市計画設計の企業などとも連携し、
単なる運動空間に留まらない魅力的な場づくりの手法「プレイスメイキング」を用いて、人々の運動意欲の喚起に貢献することを目指しています。
主に「スポーツと環境デザインの融合」をテーマに研究を推進し、様々な取り組みを行っています。
<代表例>
・スポーツアクティビティと環境デザインを
融合させた空間活用の実践
(スポーツパークinまつりつくば)
・公共施設の柔軟な設営と活動の誘導で、
スポーツを生活に根付かせる
(下妻市waiwaiドーム)
代表(渡和由)/副代表(武田丈太郎)/塾長(松田裕雄)/髙橋義雄/岡田幸彦/坂根正孝
代表
渡和由 / WATARI, Kazuyoshi 筑波大学 芸術系 准教授
1982年 (株)GK設計 建築企画設計部 専門分野 サイトプランニング (街区/団地の施設・空間配置デザイン)/プレイスメイキング (居場所づくり/居場所の配置デザイン)/ 主な業績 ・筑波科学博覧会(1985)、横浜博覧会(1989)の会場計画と公共サービス施設設計 |
副代表
武田丈太郎 / TAKEDA, Jotaro 北海道教育大学岩見沢校芸術・スポーツビジネス専攻准教授
1980年北海道生まれ。 2021年より現職。 |
塾長
松田裕雄 / MATUDA, Yasuo 筑波大学国際産学連携本部客員准教授
都立立川高校、法政大学、筑波大学大学院卒業。 |
髙橋義雄 / TAKAHASHI, Yoshio 筑波大学大学院人間総合科学研究科 スポーツ健康システム・マネジメント専攻 准教授
1968年東京都生まれ。 |
岡田幸彦 / OKADA, Yukihiko 筑波大学システム情報系准教授
2006年に一橋大学大学院商学研究科博士課程修了、現在は筑波大学システム情報系准教授。 |
坂根正孝 / SAKANE, Masataka リハビリテーション科部長
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リサーチオフィサー
小俣よしのぶ / OMATA, Yoshinobu 筑波大学スポーツ環境デザインR&Dプロジェクト室リサーチオフィサー
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山中浩敬 / YAMANAKA, Hirotaka 合同会社ベストパフォーマンス トレーニング指導者
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阿部隼人 / ABE, Hayato 筑波大学スポーツ環境デザインR&Dプロジェクト室 地方創生チーム育成システム開発担当
生年月日 1993年4月15日(27) 福島県いわき市出身 2012年 学校法人松商学園 松本大学 入学 資格ライセンス ・中高保健体育教員免許 ・サッカーC級ライセンス |